天空米に手作りの看板。あぜ道には裕貴さんの愛車・ワーゲンバスがさりげなく置いてある。本日ここで開催されるのが「Happy Green Festival 2014 Autumn Party」。「化学肥料、農薬を使っていない身体にやさしい田んぼ」で育ったササニシキの稲刈り体験イベントだ。「もしお時間があれば稲刈りを助けてください」という援農も今回の趣旨。指導にはお父様やご近所の農家の方があたり、宮城県内からの参加者は鎌やバインダーで稲刈りに挑戦する。子どもも大人も夢中になり、刈った稲束を今時珍しい棒がけにし、7アールの作業が終わるころには、共同作業の充実感と美味しいお米をつくる苦労を体感。その後は援農のお礼にと、目前の田畑で収穫された新鮮な食材を使った手料理で「食本来の美味しさ」を味わう。五目おこわ、豚汁、つきたてのお餅の秘伝豆ずんだなど心づくしの手料理に参加者は満足し、裕貴さん100%の演出と会話を心から楽しみながら、充実した1日が終わる。
農繁期の忙しい時にイベント開催。その熱意の裏には「イベントを通じて角田の農業や魅力に触れてもらい、その交流から地域を元気にしたい」との強い思いがある。彼の優れたセンスと農業とのコラボは勢いを増し、開催されたイベントは「あぜ道ファッションショー」「あぜ道カフェ」「あぜ道音楽祭」「香り米プロジェクト」など。毎回趣向をこらした企画がさらに多くの人を角田に呼びこんでいる。
角田市小田地区出身。東京でアパレル販売や雑貨輸入業を経験後、米農家6代目として家業を継ぐために2010年Uターン。イベント企画で見せるセンスの良さは米国でのバイヤー経験など過去のキャリアで磨かれたもの。13年3月に「第1回スター農家発掘オーディション STAR’S」において、優秀なビジネスプランでベスト8に選ばれる。これらの活躍に彼の気さくな人柄が加わり、幅広い人脈を持っている。